(ひょう)(ひょう)としてるというか、なんというか。


少なくとも進んで関わりたいタイプじゃない。


コイツはαで柚菜はβ。


今後も気をつけないといけない要注意人物だ。



「…ついた」


「へぇ、けっこう家近いんだ」



学校から10分ぐらい歩いた所にある柚菜の家。


木に囲まれたかわいいおうちだ。



「んじゃ、鳴らすわ」



“ピーンポーン”



軽快な音で柚菜の家のチャイムが鳴った。



『はーい』



チャイム越しに柚菜のお母さんの声が聞こえた。



「柚菜さんの知り合いの朝倉です。

柚菜さんを送ってきました」



なんだコイツ。


柚菜のお母さんの前で猫かぶりやがって。


今さら“さん”なんてつけちゃって。


ガチャリと扉が開いて、柚菜のお母さんが出て来た。