「…わかったよ」



名札の色的にコイツは先輩だけど

敬語なんて使ってやらない。


柚菜になにしたかすらわかっていないのだ。


敬う気なんてない。


ましてや、信用出来るはずもない。



笹野(ささの) 葉凪」


「…へぇ、オマエの名前?」


「そう。………アンタは?」


朝倉(あさくら)律希(りつき)


「名前で呼ぶつもりはないから」



柚菜を腕に抱いたコイツ

ーー朝倉律希は、ふっ、と余裕そうにわらった。



「柚菜は徒歩通学?電車?」


「……徒歩だけど」


「なぁ、オマエは柚菜と仲良いんだよな?」


「…いいけど、」


「柚菜は…」


「もー!うるさいな!

気になるなら柚菜に直接ききなよ!

そもそも私はアンタが嫌いなの!」


「そ。んじゃ柚菜に聞くわ」



なんていうか、コイツかなにがしたいのかよくわからない。