午前中は、特に何もなく終わった。


私の体に違和感が起こったのは五時間目の途中のこと。


心臓の音が早くなって、体が少しだけ火照った。


それでもまだ、発情期(ヒート)と呼べるほどのものじゃない。


追加で抑制剤を飲もうとして、ポケットをあさる。


あれ…ない?


常に入れているはずなのに。


そうだ!


最近、冬服から夏服に衣替えしたから、抑制剤を冬服に入れっぱなしにしちゃったんだ!


でも、まだまだ発情期(ヒート)の超初期段階だから、フェロモンだってほとんどでていないはず…


出ていたとしても、香水が隠してくれるだろう。


今日は特別日課で六時間目はないから、あと少しがまんすれば家に帰れる。


そんなに辛いわけじゃないし、大丈夫だよね。


うんうん、と一人で納得して、今まで通り授業をうける。