「あら、柚菜、起きたのね」
部屋に入ってきたのはお母さん。
「…発情期きた、かも」
「あら?……ふふっ、それは発情期じゃないわよ。
ただの風邪よ」
「風邪?」
「そうよ。
ちゃんと寝ていればきっと明日には熱が下がるわ」
風邪、かぁ。
だから発情期とは違う感じだったのか。
学校を休むのは発情期ばかりで、風邪で学校を休むのは初めてかもしれない。
出席日数ピンチだな、と思いながら再び眠りについた。
結局、次の日になっても熱が下がらなかった私は一週間も学校を休むことになった。
正直、学校に行かなくて済むことが嬉しかった。