「………どっか行ってくれますか?あなたと学校に行きたくないです、私。」
「別にいいじゃーん?というか、女子が一人で無防備に座ってたら結構危険だと思うけど。」
……こういう唯川朱俐の紳士なとこ。
調子が狂うし、信じたくなってしまうからやめてほしい。
昨日から、自分自身がおかしいし、……胸がぐちゃぐちゃしてきて嫌な感じだ。
「…そういえば、この前帰るとき突き放してすみませんでした。」
隣に座るのは決定事項らしいけれど、空気が悪いので話をそらした。
かなり冷たくしてなぜか、後悔したから。
「あー、別にいーよ全然気にしてない。俺も迂闊だった。でも、女子が一人で歩くのは危ないから気をつけなね?」
結局、優しさが戻ってきて意味がなかった。
「……はぁ。先輩のそれって素ですか?それとも好感度上げです?」
私は走り出した電車の中、我慢ならずに問いかける。