確かにそりゃそうだ。
お互いの興味と認識が絡み合わなければ、お互い知るわけがない。
なんて思ってると案外早く電車がホームに入ってきた。
……この人なんて、ほっておいていいよね。赤の他人だからおいて行っても問題ないし。
私が逃げたら、さすがに察して追いかけてこないだろう。
そう思い、つけそこなったイヤホンを耳にねじり込み扉の開いた電車に乗り込んだ。
良かった、まだ座れる…。
まだ朝早いので車内は比較的空いていた。
ふぅ……、これで1人になれる。
なんて思ったのも束の間、唯川朱俐は空いていた私の隣に座ってくる。