帰ってきて、自分の部屋に入った瞬間ベッドに倒れ込んだ。
何も考えたくもないのに、唯川朱俐のことがどうしても頭に浮かんでくる。
誰にも気づかない本性に気づくし、心の声も見抜かれてしまう。
優しくて甘いユイ王子なのに、本当は真っ黒で不敵な笑顔でニヤリと脅してくる最悪な人。
でも………
本当に優しくていざという時は助けてくれる……。
そんな性格だけの唯川朱俐だったらいーのに…。
結局、どんな人間も絶対に裏があるから。
だから、誰も信じられない。
どーせ、あの先輩も最終的には……裏があるんだろう。
何考えているか全く読めないし。
だから……あの人になんて絶対深入りしない。
そう思っているうちに深い眠りへと意識を手放した。