「でもまさか、毎日同じ駅で乗り降りしてたとはね。全く気づかなかった。」
と唯川朱俐はしみじみしたように言った。
その言葉で私も気づく。
確かに、そういうことだ。
「……そう考えると、普通に最悪だ。」
「ごめん、ふつーに聞こえてるけどね?」
なんて唯川朱俐のツッコミが入る。しらっと黒い笑みも浮かべてくる。
どうやら心の声が漏れてしまってたらしい。
「……それはごめんなさい。けど、事実なので。昼だってあなたが来たせいで昼ご飯食べられなかったんですから。」
さっき言えなかった文句もせっかくなのでぶつけておこう。
どれだけあなたのせいで迷惑したかを。
「何で?昼休みまだ時間あったくない?俺余裕見て帰してあげたし。まぁでも確かにさっき弁当食べてたね。」
意味がわからなかったのか心底訝しげな顔をして見下ろしてくる。
どうやら、隠したのもバレていたらしい。
とまぁ、そこまではいいとして。
さてこれは、本当に気遣いなのかそれとも嫌味なのか。
身長差があるから見下されているようにも捉えられる。
結構いらつく。