「はは、即答。まーでも誰にも言ったことないからね、ここに来てること。」
そういいながら、持ってきた本を開き始めた。
その本は驚いたことに英語で書かれた簡単な小説。
他にも彼が持ってきた本をよく見てみると、英語の参考書が5冊ぐらい積み上がっていた。
聞いた話だと、先輩は昔から英語が得意だから将来は通訳になりたいそうだ。
この話を聞いたときは適当な返事をしていたけど、内心結構驚いた。
噂を聞いていた私は、適当に遊んで苦労も努力もしないで生きてきた人間だと思っていたから。
返事がなかったせいかそう聞かれたので即答してやった。
どーせ、取り繕ったって意味ないし。
「ハハッ、だろーね。俺、遊びの激しい王子様としか思われてないだろーし。」
気にしないようにカラカラと笑った。
どうやら自覚はあったらしい。
自覚があるならやめればいいのに……