「あれ?ひーちゃんじゃん。こんなとこで奇遇だね。」
「……っ、」
既のところで驚きの声を上げるのを飲み込む。
……なんて悪いタイミング。
唯川朱俐が目の前に現れた。
でも、危ない。あと数秒でも遅かったら飲食がバレていた。
まぁすでにバレてるかもしれないけど。
「……どーも、こんにちは。何してたんですか?」
無視するのもどうかと思い、仕方なく素っ気なく返事をした。
「んー、勉強かなー?一応受験生だし。」
しらっと返ってきたのは予想外の言葉だった。
……受験生ねぇ。女遊びしてるみたいだし、そうは見えないんだけど。
「ひーちゃんこそ何してんの?今年になって放課後に図書館来る人初めて見たんだけど。」
といいながら、重たそうな本をバサッとおいて私の隣の席に座ってくる唯川朱俐。
……どっか行ってもらえませんか?