「……。」
「……。」



しばらく私たちの間には、沈黙が流れた。

聞こえるのは、私たちの間を通り抜ける強風のゴーッって吹く音だけ。





「なるほどね。……明るく優しい美女は本当は冷たいクール美女だったと。加えて、頭のキレは抜群。おもろ…。」


しばらくしたあと、先輩は口を開いた。


なるほどね。のあと何か続けたようだが、運悪く風の音でかき消されてしまったけど。





見ての通り、先輩は私の変化に驚いた様子もない。





そう____この通り、私の本性はこっちだ。



あんな優しくてニコニコしてる優等生の篠宮緋彩なんてただの作り物でしかない。




本当は、クールで誰にも興味がないし自他ともに認めるほどの毒舌。


本当ならメリットなく人に優しくなんてする人じゃない。





あんな事情がなきゃ、ね。




まぁ……、こんな冷たい性格してる割に弱すぎる私が怖がってるだけか。