「まぁ、とりあえず自己紹介しよっか。互いに名前は知ってるけど名乗ってないしね。」
と先輩が、のんびりした口調で言う。
「……。」
……早く要件だけ言ってくれればいいのに。
冷たく返事をしそうになるのをぐっと堪える。
……やばい、のらりくらりと躱し続けるこの人
といるといつか素の自分が出てしまいそうだ。
「なーんてね?別に俺もあなたに興味はないから自己紹介なんてしなくていーよ。」
だから何なの……、
言葉は雑なのに表情はテヘペロ☆って感じでなおさら、いらつく。
私で弄んでいるようだ。
完全に楽しんでいる気がする、この人。