「あ、あぁ。なんだ、篠宮緋彩のこと?」



と蘭絆はなんともないようにさらっと言った。

どうやら前から知っていたようだ。





「しのみや…ひいろ…?」




聞き慣れない名前を聞き取ってそのまま、カラカラの口で呟く。






「ほんっと、お前ってあんな甘くて優しい王子様〜ってアイドルみたいな扱い受けてんのに他人に興味ないよなぁ。」

蘭絆には、心底呆れた顔をされた。



しのみやひいろってそんな有名人なのか?俺の熱狂的なファンとか?

いや、なわけねーか。俺はあの子知らないわけだし。