なんで……、ど、うして……?


いつわかったの……?





まず……、この人は私を知るはずがない。







心臓がバクバクいって、心の奥が冷たくなってくる。



別に本性隠すことなんて悪いことなんかじゃないのに犯罪を犯して隠れていた指名手配犯みたいな気持ちになってくる。






…なんで、こんな関わったこともない先輩に見破られなきゃいけないの……?




苦しくなって胸元をぎゅっと掴んだ。






「フッ……。まぁ、"またね"。篠宮緋彩ちゃん。」




呆然としている私をおいて颯爽と去っていった。

それも機嫌をすごく良さそうにして。






なんなの……っ、私の名前まで……。






唯川朱俐。


彼は一体何者なの…………?





その後、私は様子を見に来たバスケ部員の先輩に声をかけられるまで呆然とへたり込んでいた。