「緋彩。」
………ん?
今、名前を呼ば、れた……?
私は声の聞こえた方を振り向いた。
「…え……、……は?」
思わず口から漏れたのは、微かな素の声。
「「「「きゃ〜〜っ!!」」」」
……。ちょっと、待って、ね……?
え……っと、なんでこの人。
ここに………いる…?
私が慌てて出ようとしていた教室のドアを塞ぐように、
唯川朱俐__朱俐先輩が立っていたのだ。
ポカンとしてると、クラス全体に宣言するように朱俐先輩は言った。
「ちょーどいーや。緋彩借りてくね。」
「……。」
この人もっ!!どいつもこいつも何なの?!