「はぁ……。」
私は大きくため息を付いて魅音を見たが、魅音は嫌そうな顔は何一つしておらず、むしろ楽しそうに口角が上がっている。
「……?」
私が見ていたことに気がついた魅音は、こちらを見て首を傾げてくる。
まるで純粋に何?と問いかけてくるように。
「〜〜っ。」
本気で悪いと思う自覚がないのだろうか?
クラスメイトがいるためバレないように睨むことしかできないのがいらつく。
昼休みになったら不自然にならないように呼び出して怒鳴りつけてやる。
そう決意したが、また大きく溜息がこぼれた。
はぁ………最悪すぎる。
これから高校生活、安心して送れないかもしれない………。
そして、このあと昼休みまでの数時間でこの噂は学校全体へ広まってしまった。
"篠宮緋彩と超イケメン転校生は幼馴染で感動的な再会を果たしていい感じ"
だと。