「きゃー!!」

「うわぁ、まじっ?!」 

「可愛い女の子〜?」
「イケメンーっ?」


といった瞬間、ほんと私も先生の言葉を認識できるかできないかくらいにもう叫び声が響いた。




うるっさ……、たかが転校生でしょ…。




本気で舌打ちをしそうになった、危ない危ない。


転校生も転校生だ、なんでこんな変な時期に転校してくるんだ。

夏休みまであと少ないんだけど?





「じゃ、入ってこーい。」



先生の合図で、古いドアを雑に開けて入ってきた。





……それは、一人の男子だった。 



艶のある漆黒色のマッシュヘア。
銀色のフープピアスとチェーンピアス。
校則ギリギリに着崩された制服。
すごくイケメンな顔立ち。
目を細めて気だるそうにした態度。



 



「……うっそでしょ…。」





私は呆然と呟いた。




私は、彼を知っていたのだから………。