「ゆっくり息して」














そう言い聞かせながら














お嬢を抱きしめて背中をさする














この役は俺じゃないと思うんだが














そんなことを思いながら落ち着くのを待つ














「大丈夫だ、何も怖がることはない」














そう言い続けていると














だんだんと呼吸が落ち着いてくる














「大丈夫か?」














凛「うん、もう平気」














「お嬢、俺がそばにいるから














小笠原とちゃんと話せ」














少し強めの口調で言うと














しぶしぶだが頷いてくれた














「うん、偉いな」














そういってお嬢の頭を優しくなでる














「あと、点滴もしておこうな」














凛「しないとだめ?」














「体 辛いだろ?」













凛「うん」














「ならしないとだめだ」














凛「分かった」














「点滴取りに行くついでに














小笠原に連絡して来てもらう














何をしたかは俺が話すから














お嬢は何も心配しないで














小笠原に気持ちをぶつけろ」














いいな と少し脅し気味だが













それもたまにはいいだろう














これくらい言わないと言わないしな














「ちゃんといい子で待ってろ」














凛「ありがと、」














ふっ、お嬢も大人になったもんだな














部屋を出ると小笠原に電話をかけた














プルル














京「はい、小笠原です」














「救急科のナースステーションに














菅原と今すぐ来い」














京「わっかりました、」














点滴の準備をしながら待っていると














京「先輩」














「お、来たか」