不安に駆られていることを察したのか














蓮「大丈夫だ、安心しろ」














先生がそう言ってくれると














不安が少し無くなる気がする














蓮「ちょっと診察させてな」














そういって聴診器を取り出す














「うん」














抵抗する体力もなくベッドへ横になる














蓮「偉いな」














先生はいつもそうやって褒めてくれる














蓮「深呼吸して〜、」














言われるままに深呼吸をする














だけど呼吸をするたび胸がズキズキして














「せんせ、いたい、やだ」














そういって胸を強く抑える














蓮「もう少し我慢な」














そういって胸を抑えてる手を














優しく包みこんでお腹の横に置く














蓮「心臓がかなり強く動いてるな」














そう言いながらお腹も診察する














聴診器でお腹の音を聞いたり














お腹を圧して痛みの居所を探ったり














だんだん気持ち悪さが増して














吐き気に変わっていく














「せんせ、吐く」














その言葉を聞いて














先生は私のことを支えて起こしてくれた














蓮「ここに出しなさい」














そういってガーグルベースを














私の口元に持ってきて背中をさする














「おぇっ、」














錠剤だったはずの痛み止めが














胃液で溶けて液状になってるのが分かる














その薬の苦みが口の中全体に広がって














苦しさをさらに苦しいものに変えていく














「もう、やだっ、」














そう先生に訴えるけど先生は聞いてくれない














蓮「全部出せたら楽になるから」














そういって口の中に指を入れてきて














さらに追い打ちをかけてくる














「やだっ、やめてっ(泣)」














蓮「大丈夫だ、俺も一緒にいる」














そういって先生の指は














凛の喉のある1点を刺激し続ける














「やめっ、おぇっ、」














苦痛でしかないその感覚に














先生の腕を掴んで必死に耐える














蓮「大丈夫だ、頑張れてる」














出し切ろうな。という言葉の合図で














先生はまた凛の喉を刺激する














「おぇっ、ゲホゲホッ」














次第に胃液しか出てこなくなって














先生は口の中から指を抜いてくれた














蓮「もう吐き気ないか?」














私がコクっと頷くと














「そうか、頑張ったな」














と先生は笑顔で言ってくれた














そんな先生の笑顔にキュンとした