春「昨日の夜中ね、ちょっと」














「ちょっと、なに?」














俺の言い方がキツかったのか














春は観念したように話し出した














春「凛、発作起こしたんだ」














「は?」














春「1時間くらいかな」














「なんで起こさないの」














春「凛に起こさないでって言われたんだ」














「それでも、」














普通、起こすだろ














春「呼ぼうとしたんだ














だけどそのたびに酷くなって」














「そうか、分かった」














春「薬は使えなかった」














凛が嫌がったのが簡単に想像つく














「でも、よかった。














春がそばにいてくれて」














独りで発作に耐えてなくてよかった














ただ今はそう思った














春「樹くん、呼ぶ?」














「いや、呼ばなくていい」














多分、樹には話さないだろう














かと言って俺に話すかも分からない














「報告だけしといて」














春「うん、分かった」














そう言って春は仕事に行った














春を見送って凛の部屋に向かう














コンコン














「入るよ」














凛「っ」














部屋に入ると














凛が体育座りして胸の辺りを抑えていて














とっさに発作が起きてるんだと思った














「深呼吸しような」














すぐに凛のそばに寄り添って














凛の背中をさする














「凛、大丈夫」














凛「けいっ、」














「ここにいるから大丈夫」














凛「っ」














「凛、ゆっくり息しよう」














パルスオキシメーターを指に挟む