「やだ」














そういって春の手を振り払う














春「ごめんごめん、長かったね」














樹「どう?」














春「音、良くないね」














樹「うーん、どうしようかな」














「いつき、外して?」














通りそうもない要求をしてみる














樹「家で安静にしてご飯食べれる?」














「...できる、」














樹「本当?」














「約束する、」














樹「うん、分かった」














意外にもそう言って外してくれた














樹「家、帰ろっか」














「凛には言わないで?」














そう聞きながら車椅子で車へ向かう














樹「無理だよ、知ってるから」














「なんで...?」














樹「京の様子がおかしいから診察してって














提案してきたの凛ちゃんだから」














「バレてたのか、」














樹「隠せるわけ無いでしょ?(笑)」














春「すごく心配してたよ?」














樹「お前、本当に独りで頑張りすぎ














ちょっとは俺たちに頼れって」














「ごめん」














樹「栄養不足に貧血」














検査結果の紙を見せながらつぶやく














樹「ご飯食べれてない、寝れてない」














俺がずっと必死に隠してたことを














スラスラと言い当てる樹














樹「凛ちゃんにも嘘ついてたんだって?」














「ついてた、」














樹「だめでしょ?」














「凛には心配かけたくなくて、」














樹「もうかけてるけど(笑)」














「...」














もっともなことを言われて黙る俺














樹「理由は?」














「...」














樹「俺には言いたくないのね、」