朝、目を覚ますと春稀はベッドのそばで
眠っていた

ほんとに朝まで居てくれたんだ

その事実に少しだけ嬉しさがこみ上げる

春稀を起こさないように必要なものを持って
洗面所に向かった

熱は大丈夫だし、学校には行けそうだ

制服に着替えて、髪を結び、リビングに行く

春稀には迷惑かけたし、お礼作ろうかな

数年前の記憶で止まっているから、今は好きか
分からないけど、オムレツを作った

あとは………あっ、昨日ご飯炊いてないから
トーストでいいかな

そんなこんなしていると、慌てた様子の春稀が
リビングに入ってきた

「春稀………おはよう」

「おはよ、凛風………ベッドにいないから
 すごい心配した
 熱は?ほんとにないのか?
 具合は?」

「春稀のお陰で元気になったから大丈夫」

「元気なら………良かった」


春稀は安堵したようにソファに座った