「好きです、付き合ってください」

 ……最初、意味がよく分からなかった。私のことが好き……?

 いやいやいや、そんなわけないじゃん。
 私、モテないからって夢見過ぎだよ。

 どうせ、私の中の夢見がちな私が聴こえる声をそんな感じにしてるんでしょ? 私にはしっかりとわかるんだから。

「……」
「……」

 数秒時間が流れた後、

「あの……なんて言ったんですか?」

 と訊き返した。本当は何を聞いていたのだろうか、それが私にはとても気になる。

「……っ」

 彼は逃げ出した。本当に何だったんだろう。