食事が終わると、鳴海がの部屋に行き、一緒に結婚式のDVDを見る。


つまらなそうな顔をした私と幸せそうな顔をした鳴海が映し出される。

DVDを見ながら鳴海が小さな声で呟いた。


「この結婚自体、間違ってたんだな…」


私は何も言えなくて、黙ると鳴海は苦笑いをしながら言った。


「そう思わないと、綾香が大野んとこに行った時、立ち直れそうにないからさ」


ねぇ、鳴海…。

言ってる事、滅茶苦茶だよ?
鳴海の方が好きじゃないって言ってるのに、何言ってるの?


鳴海の目は潤んでいて、私は何も言えなかった。


何でこんな風になってしまうんだろう……。


DVDを見ながら鳴海はそのまま眠ってしまい、私は眠れなくて朝6時に兵庫に行く準備を始めた。

軽く荷物をまとめ、化粧をして着替えると、まだ眠っている鳴海のほっぺに軽くキスをする。

家を出て、家を外から眺めると、カーテン越しに鳴海の影が見えた…。


起きてたのね…。


私は鳴海の部屋の窓の方に向かって頭を下げると、哲平の待つ、○○駅へと向かった。


あの頃のように、何が待っているか分からない、○○駅へ……。