星野さんは、どんな事をしてでも手に入れようとしている。

それが凄く眩しかったんだ…。


「話はそれだけ…?」

「……!?アンタなんか現れなきゃ良かったのに!!」


そう言って走り去る星野さんの姿を見て、哲平の元カノを思い出した。


名前は…陽子だっけ?


彼女は今、何をしてるんだろ?



少しすると、哲平が帰って来た。


「飯、どうする?」

「ん…。今日は帰るよ」

「そっか…」

「ありがとう」

「…又、来いよな?!」

「うん、又ね!」


家に帰ると玄関に鳴海の靴があり、リビングには鳴海の姿があった。


「…今日、晩御飯はどうする?」

「…頼むよ」

「うん」


私は鳴海の言葉に少し驚いた。
”いらない”
って言われると思った…。

家事を始めると鳴海が言った。


「アイツ…大野のとこに行ってたのか?」

「…うん。お金を返しに…」

「そっかぁ…」


鳴海は寂しそうに笑った。
途切れ途切れの会話が胸を苦しくする……」

鳴海は何か話す訳でもなく、ただリビングに座っていた。