そんな私を鳴海は見ないで、哲平が投げたお金をかき集めながら寂しそうに言った。


「アイツ…俺の全盛期以上に金持ってんだな」


鳴海はお金を全部かき集めると、私にお金を差し出した。


「アイツんとこ行った方が幸せになれるんじゃね?俺と違って金もあるし…。お前の事好きみたいだしさ。俺はもういいから」


私はお金を無視して、鳴海に聞いた。


「もう…好きじゃないの…?」

「好きじゃ…ない。これをアイツに返しといて。病院に行く程のケガじゃないから」


そう言って、鳴海はお金を置いて自分の部屋に戻って行った…。