どうすればいいんだろう…。

どうすれば、鳴海の力になれるの?


そんな気持ちとは無関係に時間だけが経っていく。
そして、私は哲平に電話した。


「もしもし」

「…哲平?」


哲平の声を聞くと、何故だか涙が出た。


「…どうしたんだ?」

「私ね…どうすればいいか分からない…」

「あの後…ちゃんと東城さんと話したんだろ?」

「…話してな…」


そう言いかけた時、玄関が開く音が聞こえて来た。


「!?ごめん、帰って来たからっ」


私は急いで電話を切ると、鳴海が私を冷たい目で見ていた。


「…誰と話してたんだ?」

「友達っ…」


突然ついた嘘で私の声が裏返ってしまい、鳴海の冷たい目が嫉妬の目に変わっていくのが分かった…。


「大野か?」

「そんな訳ないじゃない!」


普段冷静な私が明らかに動揺している姿は、鳴海に簡単に嘘を見破られてしまう…。


「ちょっと来いよ!」


鳴海は私の手を思い切り引っ張って、鳴海の部屋へと行き、私を強引にベッドに押し倒した。

こんなの違う…。
鳴海じゃない


「やめてっ」

「うるさい!!」


鳴海はそう言って、私の頬を思い切り殴った…。