高橋さんが居なくなった家の中はガラっとしていて、居なくなった実感と寂しさが、更に私を襲う…。

高橋さんと一緒に食べた食器を洗い、家事を一通り済ませると、鳴海の帰りを待った。


聞いた以上、知らない顔なんて出来ない…。
私に出来る事は何も無いかもしれないけど、出来る限りのサポートをしなきゃ。


ーガチャ

玄関が開く音と共に、私は玄関に向かった。


「ただいま…」

「お帰えりなさい」


私は何故か不安なんか感じなくて、冷静だった。


「話があるの」

「あぁ」


私と鳴海はリビングに向かい、私はコーヒーを入れて椅子に座った。


「あのね、鳴海さん。高橋さんから聞いたんだけど…」


言いかけた時、チャイムが激しく鳴った。


「ちょっと出てくれないか?」


鳴海は下を向き、頭を抱え込んでいる…。


私は何も言わず、インターホンに向かって言った。


「はい。どちら様ですか?」

「私だ。開けなさい」


それはパパの声で、いつもより低いその声は嫌な予感がする…ん。


「…今はちょっと…」

「いいから開けなさい!!」


私は仕方なく玄関を開けた。