「佳奈子!また何てことして
くれてるんだい!!」

彼女はまだ10歳だったが
両親が3年前に死んで
しまってから姉のユリと
2人っきりになってしまった
ので親戚に引き取られたが
いつも雑用を押し付ける
おばさんが佳奈子は嫌い
だった。

「まったく…少しは役に
立つかと引き取ってやったが
ちっとも役に立たないねぇ」

床にこぼした牛乳を拭いて
いる佳奈子を冷めた目で見る。

佳奈子は怒りを必死に抑え
ていた。

「ユリ〜、ちょっと買い物に
行ってきてくれないかい?」

そしてこれだ。
姉と佳奈子とでの態度が
変わるのだ。

「働き者のユリを見な。
しっかりやってくれている
のに…お前ときたら…」

ユリがいなくなったのを
見計らうと佳奈子をぶつ。

「…っ」

最近おばさんはユリが
いないところで佳奈子に
暴力を振るようになっていた。

「…んで」

「えっ?」

「な…んで私が…こんな、目に
遭わな…きゃい、けないの!!」

佳奈子は泣きながら叫んだ。

「うるさい!!世話をしてやってる
この私に向かって…」

おばさんは長い棒を
持ってきた。

「もうあんたは許さない!!」

すると力任せに佳奈子を
殴りかかったのだ。

ゴッ

ゴッ

何回殴っただろう、
いくら棒とはいえ彼女は
全身血だらけになって
なってしまっていた。