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本当は休みたかった。
昨日のことがあったから休んでもきっと誰も文句は言わないはずだった。

それでもこうして出勤してきたのは死神が提案した復讐がちょっとだけ面白そうだったからだ。

もちろん、今日の服装やメークは普段どおりの美保の姿だ。
「あれ? どうして私が選んだ服を着てこなかったの?」

一美だけはそうして不服を口にしたけれど、上司や他の社員たちは安堵した表情を浮かべていた。

普段真面目でおとなしい美保の急な変化に、みんなどう対応していいかわからなかったのかもしれない。

「あの服は私にはやっぱり似合わないから」
と、一美の前では照れ笑いをしておいた。