「こんなんじゃもう会社には行けないし。もう連れて行ってくれていいよ?」
昨日のような失態をおかした後でも出勤するなんて、それこそ拷問だ。

今日で5日目だから、残り3日。
その間が消えたって別にどうってことはない。

そう考えていたときだった。
不意に死神が立ち上がって近づいてきた。

無意識のうちに逃げようとしたら背中に両手を回されてそのまま引き寄せられていた。

驚くほど冷たい体に全身が凍える。
それなのに死神から感じる吐息はとても暑くて美保は混乱した。

「残りの時間を復讐に使えばいい」
耳元でそう言われて「復讐?」と聞き返す。