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いつもどおりA定食を注文して席につくと、社食内はあっという間ににぎやかになった。
社員たちでごった返してしまう前に、食事を終わらせて戻ることにしよう。

「ねぇ、橋本さん」

早めに退散しようとしていたときに声をかけられたので振り向くと、そこには同期の女性社員が気まずそうな表情で立っていた。

「なに?」
「あのさ、顔見たほうがいいかも」

そう言われて美保はまばたきをする。

一美にメークをしてもらってから1度もトイレに立っていないから、まだ自分の顔を確認できていなかった。

だけど裕之はキレイだと褒めてくれたし、さして気にしてもいなかったのだ。
「顔?」