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どれだけ頑張ってみてもあと3日の命だ。
死神がくれた最後の一週間はもうすぐ終わろうとしている。

ここまで裕之との関係が順調に進むとは思っていなかっから、ちょっとだけ死ぬのが惜しい気持ちになってきていた。

交通事故に遭った当日にはこんな気持になることもなかったのに。
たった4日ほどでこんなに心境変化があるとは思っていなくて、自分自身が驚いていた。

「美保。私今日他の子とお昼食べる約束してるの、ごめんね」
昼休憩になり、一美がそう言いながら席を立った。

元々一美と一緒に食事をすることだってなかったのに、こうして気にかけてくれるようになった。

人間努力次第でなんでも変えることができるんだと痛感する。
「気にしないで。私は社食で食べるから」

そう伝えてバラバラに移動する。
そういえば、1人でお昼を食べるのもちょっとだけ久しぶりだなぁ。

そんなことを考えたのだった。