考えれば考えるほど体温が上昇していく。
妄想の中の自分はすでに裕之と肩を並べて歩いていた。

今の美保にはうまくいく想像しかできなかった。
「話を聞いているのか?」

ずっとニアニヤしていたため上司から怪訝そうな顔をされてしまった。
「はい。これからは気をつけます」

美保は口先だけでそう答えたのだった。