「それはわかってるんだけど……」
でもやっぱり勇気がいる。

メークだって今はプロの人にしてもらったからキレイにできているけれど、明日には自分でしなきゃいけないんだ。

アイメークなんてほとんどしたことのない自分が最初から上手にできるとは思えない。

その不安をそのまま口に出すと一美が『なぁんだそんなこと』と笑い声を上げた。

『それならメークは私がやってあげるから、道具を持ってきなよ』
「え、いいの!?」

仕事前にそんな手間を取らせるのはどうかと思ったけれど、一美がメークしてくれるのならぜひお願いしたい。

自分でやるよりもよほどキレイに仕上がるはずだし。
『もちろん、任せて!』

一美の力強い言葉に美保はようやく笑顔を浮かべたのだった。