幸いトイレには他の社員の姿はない。
だけど休憩時間に入っているから、誰が入ってきてもおかしくなかった。

「お前の報告を聞いているだけじゃ心配で仕方なかったんだ」
死神が表情ひとつ変えずにそう行ってのけた。

死神に心配されるなんて、私の恋愛はどこまでレベルが低いんだとうと自分が情けない気持ちになってしまう。

「今日はどうだ?」
「今日はまだ会えてなくて」

だけどきっとこれから食堂で会うことができるはずだ。
そのときに連絡先を交換すればいい。

「なにしてんだ! もう4時間も過ぎたのに!」
「そ、そんな事言われても、仕事をしてるんだから」