疲れていると言いながら肌ツヤは良さそうで、美保の心臓はドキドキしてくる。
昨日彼氏とどんなことをしたんだろう。

質問したいけれど、きっと今の美保にはまだ刺激が強くて仕事が手につかなくなるからやめておいた。

「それよりさ、高野とはどうなの?」
グイッと顔を寄せて質問されて美保は思わず吹き出してしまいそうになった。

「どうって、なにが?」
「昨日ひる休憩中に結構会話したでしょう? 仲良くなれた?」

「それは……」
もしかしたら顔くらいは覚えてもらえたかもしれない。

という程度だった。
名前までは覚えてもらえていないかも。