今日は大きな成果を残すことができたし、死神も満足してくれるはずだ。
そう思って鼻歌気分で帰宅した美保はすぐに昼間の出来事を死神に説明した。

死神は怖い顔で腕組みをして最後まで話を聞き終えるとすぐに美保の前に大鎌を突きつけてきた。

ギラリと光る切っ先に思わずのけぞってしまう。
「ちょっと何するの、危ないでしょう!?」

注意すると死神が関心したように「ふむ」と、つぶやいて大鎌を定位置へと戻す。
「ようやく死ぬのが惜しくなってきたか?」

その質問に美保はあっと小さくつぶやいた。

自分が事故に遭ったとき、未練もなにもないからすぐにでも連れて行ってほしいと伝えたことを思い出した。

でも今は……考えれば裕之の顔が浮かんでくる。
まだもう少しこの世界いたいかも。