それから定食を食べ進めていると足音が近づいてきて隣に誰かが座っていた。
誰だろうと顔をあげた瞬間……美保の思考がストップしていた。

「ここ、いい?」
と、美保の右側に座ったのはなんと裕之だったのだ。

遠くから見るだけで満足して、なんとなく好きなのかなぁと気になっていた人が今隣にいる!

その瞬間美保の心臓がドクンッと跳ねた。
続けてドクドクドクと通常の倍の早さで血液を贈り始める。

おかげでちょっと呼吸が苦しいくらいだ。
「どうぞどうぞ」

と答えたのは一美で、美保へ向けてウインクしてみせる。
いやいや、いきなりこの状況は恥ずかしすぎる!

今まで普通に食べていたA定食が途端に喉を通らなくなってしまう。
緊張で喉が狭まっているのが自分でもわかった。