「美保は可愛いのに地味すぎてパッとしないんだよねぇ」
「あ、ありがとう」

「いや、あんまり褒めてないし」
可愛いと言われたことでどうしても舞い上がってしまう。

1日に2度も可愛いと言われたことなんてほとんどない。
一美っていい人なんだなぁ。

「メークとヘアスタイルで印象変わるはずだよ?」
「そ、そうなんだ」

そう言われても美保にはまだピンとこない。
だって可愛いなんて言葉が自分のために存在しているとは思っていないから。

ずずずっとお味噌汁を飲み干してホッとため息を吐くと一美には呆れたため息を吐き出されてしまった。