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幸い、相談相手の一美は裕之と接点があり、よく会話をするのだだそうだ。
「これから会いに行く?」

ろくに仕事もしない間からそんな風に質問されて美保はブンブンと左右に首を振った。
まずは仕事が先だ。

それを一美に伝えると真面目過ぎてつまらないと顔をしかめられてしまった。
だけどここは会社。

いくらやらなくていい休日出勤だとしても、ここまで来たのだから仕事しないとなんだか落ち着かない気持ちになってしまうのだ。

それから午前中はずっと仕事をしっぱなしだった。

隣の席の一美は最初からやる気がなくてほとんどの時間をスマホを診て過ごしていたけれど、昼休憩になったとたん立ち上がった。

「よし、じゃあ社食に行くよ」