「仕方ない。明日も頑張ってもらうしかないな」
「はぁ……」

曖昧に頷いたのは明日は日曜日なのに出勤になってしまったからだ。

「なんだ、どうしてお前に元気がないんだ。さっきまで憧れの人を見ることができたと騒いでいたくせに」

それはそれで嬉しかったけれど、その喜びをかき消したのは死神だ。
でも、もちろん口が裂けてもそんなことは言えない。

「明日が出勤になってもきっとほとんどなにも変わらないと思います……」
しぶしぶそう答えるとまた睨まられた。

どうやら死神は美保の性格をあまり好きではないみたいだ。
美保のほうもすぐに怒ったり睨んでくる相手は苦手だ。

「お前はもっと自分のために頑張ることができないのか」
「頑張るって言われても……」