美保が次に目を覚ました時、見慣れた部屋の慣れたベッドの上だった。
スマホのアラームがピピピッと面白くもない電子音を鳴らしている。

右手を伸ばして枕元のスマホを手に取り、無意識にアラームを止めた。
ここからあと5分眠るのがいつもの美保だった。

この5分間のうたた寝が最高に気持ちいいのだから。
ほどなくうつらうつたしはじめたとき、不意に脳裏に死神の顔が蘇ってきた。

病的に白い肌。
整った顔立ち。

心残りがないと言ったときの困り顔。
思い出してプッと笑う。

死神でもあんな顔するんだ。
「変な夢見たせいで今日は二度寝できないかも」