「会いたかった、美保」
死神が両手を美保の背中にまわす。

周囲からどよめきが湧き上がる中、美保はその両手がとてもあたたかいことに気がついた。

死神特有の、あの冷たさがない。
そういえば頬もピンク色だったっけ。
不思議に感じて目で訴えかけると死神はふふっと笑って耳に顔を寄せてきた。

「あのあとお叱りを受けて死神を剥奪された。代わりに人間になって、美保と同じ職場で働くことを命じられたんだよ」

その言葉に美保は大きく目を見開いた。
それが、死神が受けた罰?

もしかして閻魔さまってすごく素敵で優しい人なんじゃ?
「これから先はどちらかが死ぬまでずーっと一緒にいられるな!」

死神……エクセルはそう言うと満面の笑みで美保の体を抱き上げたのだった。

END