カッコイイ人に目がない一美が言うのだから、たしかにその人はカッコイイのだろう。

「一美には彼氏がいるんでしょう?」
「まだ彼氏にはなってないよ。ちょっといいなって思ってるだけ」

裕之と別れてからすぐに合コンに参加したようで、そこで出会った年下の男の子に夢中みたいなのだ。

恋愛経験の乏しい美保にはよく理解できないけれど、失恋したときは次の恋に行くのが一番の特効薬なのだとか。

そんなふうに考えられる一美が少し羨ましく感じる。

一美と裕之は同じ会社にいるから気まずくなりそうなものだけれど、一美のあっけらかんとした性格のおかげでさして変わらない関係を続けられているらしい。

もちろん、今はただの同期としてらしい。
「あ、来た!!」