死人みたい。
じゃなくて、美保は本当はすでに死んでいるはずだったからだ。

「私のことそんなに心配シてくれなくても大丈夫だよ」
「そんなにガリガリにやせ細ってたら誰でも心配するっつーの」

一美は美保の二の腕を指差してビシリと言った。
確かに、ろくに食事をとっていないから最近では骨と皮だけになりつつある。

だけどそれならそれでいいような気がしていた。
死に近づくということは、また死神に会えるかもしれないということ。

それは美保にとって希望でもあった。

やがて運ばれてきたモーニングセットとチビチビと口に運んでいると、まるで囚人を監視する警察官みたいな目で一美にジッと見られていた。