みんなより遅いスピードで歩いている私。
はたからみてもぼーっとしていることがわかる。

こんな風に歩いていたらから信号が赤色に変わったことにも気が付かなかったんだ。

そして突如立ち止まり、驚いたように目を丸くする。
このときすでに信号が赤に変わったことに気がついたんだ。

すぐに動き出せばいいのに、しばらく放心したようにその場に立ち尽くした。
その結果……白い乗用車が走ってきてそのまま自分の体が跳ね飛ばされるのを見た。

映像に釘付けになっていた美保はハッと大きく息を吸い込んで大鎌から視線を外した。
心臓がバクバクしていて、汗が滴り落ちていく。

立っていられなくてその場に両膝をついた。