☆☆☆

無理やり一美に連れ出された美保は電車で30分ほど揺られてショッピング街まで出てきていた。

休日だというのにすでに沢山の人たちが動いていて、下手をすれば一美とはぐれてしまいそうになる。

「朝はコーヒーでしょ」
と言いながら一美は勝手にコーヒーショップへ入っていってしまった。

注文したモーニングセットが届くまでに美保は何度も一美の様子を伺った。
「どうして部屋まで来たの?」

一美なら美保に断られても他に遊び相手はいくらでもいたはずだ。
それこそ、新しい彼氏とか。

「だって、あんた最近ずっと死人みたいな顔してるんだもん。気になるじゃん」
その言葉に一瞬ドキリとする。