休日のこんな時間に誰だろうと出てみると、立っていたのは一美だった。
一美は会社で見るよりも垢抜けて派手な恰好をしている。

といっても以前美保に着せたあのワンピースほどの派手さではないけれど。
「一美、どうしたの?」

「どうしたのじゃないよ。どうしいつも休日に引きこもってるのよ! 出かけるわよ!」
一美はそう言うとズカズカと部屋に足を踏み入れてきた。

そして興味深そうに部屋を見回して「地味な部屋」とひとこと言った。