美保は生きていた。
生きて毎日を過ごしていた。

だけどそれは死神に出会う前よりも更に灰色の日々で、ただ会社へ行って、帰って寝るだけの毎日だった。

ご飯を食べる気にもなれずになにも食べずにそのままベッドに潜り込むこともしばしばあった。

ベッドにもぐりこんで目を閉じると毎回死神の顔が浮かんでくるから、声を殺してひとりで泣いた。

もういっそ朝なんて来なければいいのにと本気で願った夜もある。
それでも朝は容赦なくやってくる。

今日も美保はスマホのアラーム音によって無理やり叩き起こされた。